母と一緒に海外旅行は6年ぶり。
最後に韓国へ行ったのが最後だった。
私は、両親のおかげで13歳から海外旅行を経験しているので、ヤマザキパンに行く感覚で海外へ出向く。
今回はパンを食べにスペインへ。
しかし、私、
飛行機が怖い。
旅慣れしているとて、空をあんな巨漢(飛行機)が翼二本で動くはずがないといまだに疑っているの。
上空で揺れたりすると、
「ほれ見たことか!!」
と、鬼の首を取ったかのように飛行機全否定。
(いや、でもいつもお世話になっております!GOMASURI)
同行者は母。
飛行機が揺れた時は、彼女の手がもげるほどにしがみつく。
モゲ オア ダイ!
用意周到な母は、私の分まで機内で履く用の い草の効いたスリッパ、睡眠用の枕まで持ってきてくれた。
愛しか感じない。
枕は、空気を入れてふくらませるタイプのもの。
一つは私に。
そして、母が自分のものをふくらませている。
1分…3分…5分…
どれだけ時間が経過しても、一向に枕はふくらまない。
「それ、今日中に膨らむ?」
一抹の不安が遅いながらも、あきらめず膨らます彼女。NEVER GIVE UP
母「フィンエアー(フィンランド航空)って、なんだかいい風吹いてるね」
そう言った彼女の枕を見ると、
思いっきり10cm大の穴が空いていた。
(古典的すぎて突っ込む気にもなれない)
その「フィンエアーのいい風」も、彼女の息が顔にガンガンふりかかっていただけで、正直全然機内にいい風なんか吹いてやしなかった。
「せっかく買ったのにこんなにでっかい穴が開いてるなんて!ゴミ箱に叩きつけてやる!」と鬼の形相の母。
私はもうおもしろくて何も言えねぇ。
100均クオリティー、アーメン!
フィンエアーのサービスはちょうど良かった。
ご飯の後にアイスも出るし、機内後方にはドリンクバーもあった。
おりる間際には美味しいチョコレートもくれたし。
罠かな?と思うほどいたれりつくせりで、
紙コップや、紙ナプキン、ブランケットや枕に至るまで全てマリメッコデザインだったことを知ったときには鼻血がでた。
そんな素敵な機内で、100均クオリティーのせいで破壊的になった母。
彼女は
10時間のフライトで
- 主人公が宇宙船から迷子になる映画
- 船が真っ二つに割れて沈没する映画
- ビルが爆破される映画
の3本立てを楽しんでいた。
よりによって飛行機でそんな絶望的なもんみなけりゃいいのに。
破壊的な母は、
私のド派手な服装を見て、
「あら、あなた。その衣装フライトアテンダントみたいね!」
と褒めてくれた。
彼女の感性、もうどうなっているんでしょうか。
到着したフィンランドには最高にいい風が吹いていて、
ここに住んだら素敵だろうな〜と思わせてくれる場所だった。
空港内にはムーミンやマリメッコ、北欧デザインのショップが、免税で立ち並んでいる。
日本女性たちは、全員鼻血が出るに違いない。
ヨーロッパへ旅行の際は是非、フィンエアーを!
ブロッドプレッシャー!