【「免許取りたて17歳」のノリで神隠し in 愛媛〜生死、さまよっちゃいました〜】


3年前に体験した、身の毛もよだつ恐怖(珍)体験。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ゆいちゃん、俺、多分死なんから、

様子がおかしくなったら、

舌だけ噛まんようにだけしたってな。」

この言葉が一瞬にして私を凍りつかせた。

 

 

数週間前に、大学の後輩【愛ちゃん】とGWの計画を立てていた。

『千と千尋の神隠し』で舞台になった「道後温泉」を見に愛媛県に行く事に。
ところで、私の友人の中に
【観音クリエイション】という作曲家がいる。

彼がGWにシンガポールから一時帰国するということで

彼の幼馴染でもある【はな】も誘って一緒に行く事に。
(実際は、唐突に“行くよな?”とNO以外の選択肢がないような誘い方をした。)

 

 

2012年4月28日(土)20:00

伊丹空港で彼を待っていた。飛行機の延着でじりじりと待っていた私達。
「はい、おみやげ!」と手渡されたもの。

$クジャクの求愛行動
うち、blue-ray見れませんからー!!

そして、弾丸の旅が始まった。

GWの初日ということで渋滞にはまる事は目に見えていた。
だが、実際、車は2台ほどしか走っておらず、
渋滞の「じゅ」の字もなかった。
あっという間に淡路インターへ到着。

 

すぐさま目に飛び込んできたのは、

 

 

まさかのリラックマ。

 

small world project

 

 

こわいこわいこわい。

 

そして、

 

景色のいい場所で今回の一枚目の記念撮影。

すると…

small world project

まさかの全員、ドン透け。

幸先悪すぎ!
千と千尋の舞台に行くだけに、神隠されにいくようなもの。

けど、私達のノリはあくまで「免許取り立ての17歳、無茶したくて仕方ない」テンション。

平均年齢26歳。
旅はつづけられた。
愛媛に向かっている中、【愛ちゃん】が

「今度、会社の10周年で一言スピーチしないといけないんで唯ちゃん、
なにがいいと思います?」

 

「あとで考えようか~」という話があった。

 
その途中、四国八十八ヶ所巡り69番目の地「観音寺」という場所へ行く事に。

 
【観クリ】の名前にゆかりがあるからだ。
しかしそこは、墓まみれ、お札ベタ貼り、
おぼろげな光で霊的な雰囲気をマンキンに放っていた。

 

 

この中に入ると私達はまず間違いなく「半透明」
になって帰ってくる事になると話し入る事はしなかった。
その後海にも行ったが、

「ここ日本?」
と疑いたくなるような怪しげな廃墟の住宅街。

背筋も凍ってきたところで早々に観光をきりあげて旅路へ。

長距離運転に一言も文句を言わず【はな】が私達を愛媛までいざなってくれた。
夜中の3時半ごろに道後温泉に着き、

テンション任せにとりせず道路へ寝ころんでみる。

small world project

【観クリ】のあしもとにオウブが映っている気がするが、

まぁそんなこともあるだろう。

 

 

そして、どっこもかしこも空いていないので周辺の温泉を探してみた。
「久米之癒」
http://yu.kume.cc/
たまたま、【愛ちゃん】が一番行きたかった所だったこともあり即決でGOサイン。
その露天風呂で、彼女から大告白を受けた。

 

 

「唯ちゃんは、私の命の恩人なんです。」

 

 

彼女とは、アメリカ留学前に言葉を一度交わしただけだった。
その前から何故か私の様な人間のファンでいてくれたらしい。
言葉を交わしてから、私は大学から姿を消し、

 

彼女は「また会いたい!」と思ってくれていて色んな教授に捜索願を出したんだとか(笑)

アメリカにいったというのはずいぶん後になって知ったんだとか。

その後、彼女は大きな交通事故に遭った。

頭から出血し、脚を骨折、生死をさまよった。

 
一命はとりとめたものの
ダンスshowの数週間前だったので、
showも断念、脚も動かず、希望も見えずひきこもりと鬱状態が続いたそうだ。

 
そんな中、たまたまmixiで私を発見し、アメリカにいることを知った。
勇気を持ってメッセージを送ってくれた。

そこで私は彼女の事故のことを知り、帰国したら会おうと約束をした。
約束の日は1月。

 

 

その月は彼女の誕生日月だったことをmixiで知り、
「一度話しただけの後輩にやりすぎかなぁ~?」
と思いつつも、お土産&誕生日を兼ねて小さなコロンをプレゼントした。
彼女は涙目で喜んでくれたのを今でも覚えている。

 

 

「あの時、鬱状態の私を外の世界に連れ出してくれたのは、
ゆいちゃんが初めてだったんです。
事故の事を話して、歩けるのに鬱で家から出ていない私に
“けが?でももう歩けるんやろ?外でなあかん。難波集合!“って言ったんです。」
変わらずジャイアンな遊び提案だったそうだが、彼女はすごく嬉しかったらしい。
「そして、笑ってこう言ったんです。
事故の詳細を話してふさぎこんでいた私に、

“生きてたらこっちのもん!
足折れても、ひきこもっても、
今、生きてるやん!

生きてるだけでめっちゃラッキー\(^O^)/“」
この言葉で、私「生きよう!」っ決めたんです。
この日から、鬱が治ったんです。」

 

唯ちゃんに会ってなかったら、私今でも絶対社会復帰してない。

唯ちゃんは、私の命の恩人なんです。
今私、めっちゃ幸せです。ありがとう。

 

 

こんな大告白を露天風呂で受け、ばれないように目頭を湧水で洗い流した。

心がほっこりして、旅はまだまだ続く。
朝食後、外を散策していると足湯を発見し、もちろんダイブ。(足を)
そこで地域の人と交流。

 

おばあちゃんと孫。

 

そのおばあさんは自らを

【ドングロス】と名乗り、
絶妙なタイミングで髪の毛の中から使いかけの鉛筆を一本取り出して差し出してきた。

 

全く意味が分からない。
【ドングロス】達と別れ、寝不足な私達は公園で野宿することに。

私はなぜか、「野宿」に絶対的な信頼を寄せている。

適当な公園を探し、平均年齢26歳半透明疑惑の4人は公共のベンチに横たわった。

 

途中、おじいさんが私の足元へ腰かけてきた。

あの時、彼には私が見えていなかったのだろうか…。

すでにあの写真のように半透明だったのか。

 

そして1時間ほど仮眠をとり、
お昼ごはんへ。

兼ねてから計画していた海鮮丼を食べることに。

そこで、私達の人生を震撼させる事件が起った。

4人で食堂に入り、
メニューを見ていると、水が4つ出てきた。

すると店員さんが「あ、すいません!」
と引っ込み、戻ってきたかと思ったら5つ目の水をコトンと置いた。

私達、4人しかいないのに・・・。

これ、よく怖い話とかであるやつやん・・・

まぁ、いっか、お腹すいてるし♪

私達3人は海鮮丼、

そして【観クリ】だけは「うに丼」をチョイス。

その美味しさに感動し、「生きてて良かった~!」と雄たけび。

お土産散策し「おやつにうどんを!」食べるべく香川へ。
座席に横になり後部座席の9割を占領する【観クリ】の隣で私はエコノミー症候群状態。
そこで事件は起こった。

 

コンビニに車を停め、外に出ようとした時。
【観クリ】がものすごい形相で裸足のまま外へ飛び出していった。
目が点になった私達3人。
・車に酔った?
・排尿?
・もしかして…ウニにあたった?
帰ってきた【観クリ】は顔面蒼白ボロッボロで
「俺…、ウニにあたった…。」
そしてアスファルトに倒れ込み、
過呼吸と痙攣。
しんどかったのに、空気を壊したくないと我慢してたんだと思う。

そして介抱する私に小さな声で
「ゆいちゃん、俺、多分死なんから、
様子がおかしくなったら、舌だけ噛まんようにだけしたってな。」
ゴクリと唾を呑んだ。
「うん!分かった!」返事をしたもののどうやっていいかわからなかった。
意識が何度も遠のく彼を3人で介抱した。
「過呼吸を治すために、こいつにはうってつけの解決法がある。」
ネットで対処法を調べていた【はな】が出した案は

「しゃべらせること」だった。

これが意外に効果抜群で

坂本龍馬の歴史の本を【はな】が読み、それを【観クリ】がリピート。

 

私は背中をさすりながら、生死をさまよう友達に、

 

 

「てか、この方法、龍馬の歴史も知れる上に過呼吸も治るなんて一石二鳥♪」

 

 
と能天気はなはだしい発言にも笑えるほど彼もだんだん意識を取り戻し、

震えも止まり過呼吸もとまり回復していった。

30分という時間だったが、

友達が生死さまよう時間は一生のようにも感じられた。
でも、まさに
「生きてたらこっちのもん!」事件だった。
その中で、紙袋やティッシュやおしぼりを走って持ってきてくれた

サンクスの店員さんにも感激した。

“Thanks”と名乗るだけあるコンビニだ。

そして、落ち着いたのところでうどんやに向かい、
すべてリバースした【観クリ】もすこしうどんを食べるとのこと。
「胃に優しい代表選手、うどん」を食すべく方々うどんやを探すも、
4時という微妙な時間にやっているうどんやが限られているため目指していた
うどん屋はほぼ全滅。
しかし、一件おいしいという評判のところを見つけ入店。
そこでも、【観クリ】が「胃に優しいものを」と思って頼んだ「ひやしうどん」が

そこの特徴あるメニューなのか
氷水の浮いたカッキンコッキンのうどん。
今の彼にとってはうどんのコシの強さは暴力にさえ思えた。
もう、貧乏くじ引き過ぎて笑うしかなかった。

さぁ、食べよう!というところで、
私は誰かに肩をトントンと叩かれた。

ふりむくと、しばらく会っていない友人だった。
「唯ちゃん、うどん食べに来たん?」
「うん!せやで~!」

その模様を見ていた3人は、

「え?!どういう事?!こんなとこで偶然友達にあってなんでそんな軽いん?!」

そんなことでてんやわんやとしていると、
急に私の携帯にLAのダンサーからメッセージが届き、
「先日、唯さんに紹介してもらった【観クリ】さんとのコラボ映像
『さくら』が本日出来上がりました~!」

と入っていた。

私と【観クリ】が首を長くして待っていた作品が

こんなわちゃわちゃしたタイミングであがってきた。

「ちょっと、色んなことが一度に起きすぎて整理できひん!

なぁ、どっからが夢?!」

と【観クリ】。
無理もない。色な事がおきすぎている。

もういいからいったんその凶器みたいなうどんをどうにかしてくれ。
うどんを堪能し、友人に別れを告げ、帰路へ。
その車内で出来上がってきた作品、『さくら』を見ることに。

この素敵すぎる映像を見たあと、なんだか笑いをこらえきれなくなった私。

「てか、こんなにきれいな音作る人間、
さっきまでウニで死にかけとんねん~!!!(爆)!!」
【観クリ】「てか、ウニ丼食べて生死さまよってる作曲家とか生活感ありすぎじゃない?!」

【はな】「この作品、遺作にならんくて良かったなぁ~!」

【愛ちゃん】「なんか、泣いちゃいます…。」
もう、車内むっちゃくちゃ。
でも、生きてたら全てかすり傷。笑える今がホンマに幸せ。

そして、GWの旅やったにも関わらず一度も渋滞にひっかからなかった。
謎。
そして、この話の最初の方に出てきた【愛ちゃん】が会社の10周年パーティーでの決意表明について話した。
「私、決めました。決意表明。

“無茶をする!”これにします!」
あ~。また残念な人間を創ってしまった・・・。笑
無事、大阪に帰ってきて餃子の王将で今回の旅を振り返った。

そもそも、何で私達が半透明やったのか。
それは、一目瞭然だった。
ちまたでは本当に多くの「居眠り運転」が世間を騒がせている。
24時間で800kmを移動する大旅行。
ドライバーは【はな】一人。

居眠り運転のタイミングなんていくらでもあったと思う。

でも、
「本当に半透明(幽霊)になって家に帰らんように、

家につくまで気ぃ抜かんで帰ろうな!」
と、最後の最後までふんどし締めて帰った。

あの時、半透明な写真がなかったらここまで気を引き締めていただろうか。
全てがリンクしている気がした。

ほんとに、生きて帰ってきてよかった。
色んな不思議なことを経験し、その話を母にすると

「多分、あんたたち4人は本当に“神隠し”にあったのかもね。

でも、すごい力で守られてたんだよ」と言った。

ものすごく濃厚な24時間。
ぐったりと疲れたが、生きてて本当によかった。
最高に残念で最高の仲間と今後もこの精魂尽きるまで付き合っていこうと思う。
何かのサインを受けたら、

ちゃんとふんどししめること。
でも、どうしてあの食堂でグラスが5つ出てきたんだろう・・・

まぁ、いっか♪
Fin


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