日に日に体が横に肥大している私。
陽に焼けて赤くなってるし。
紅の豚な私が、青い妊婦になった話を今からしようと思う。
最近、ものすごくホームシックに陥ることがある。
それも決まって、幸せの絶頂であろう時に、だ。
先日、スペインから義母が来てくれた。
年明けからの綿密な計画により、このプロジェクトは遂行された。
(参照:「新婚さんいらっしゃいの裏話」)
太陽みたいに明るい人で、
私をそれはそれは愛してくれている。
ほっといたら、スペイン語で、誰も聞いていなくても永遠に話し続ける人でもある。
ホアキン(旦那)は彼女を
「とんでもない奴」
と描写する。
(実母やぞオイ)
そんな彼らは海を越えて24時間かけて大阪にたどり着き、
多大なる時差ぼけと共に帰ってきた。
家に着き、
1つのベッドに、彼らに挟まれ川の字で眠ることにした。
私のお腹の上に大好きな人と、その人を生んだ人が手をおいて、
赤ちゃんの胎動を感じながら寝る昼下がり。
こんな幸せなことはないのに、
私はなぜか、家にいるのに、
むかーし感じた小さい頃のホームシックに似た時の感情がトグロを巻いて私を襲う。
ちょうど、下図のものが心臓に挟まっているような苦しさ。
(図はイメージです)
なんでこんな状況で真逆の感情に襲われるのだろう。
実家に行ってもそうだ。
実母が美味しい朝ごはんを作ってくれて、
うたた寝する私に子供の頃のようにお布団をかけてくれる。
そんな幸せの絶頂の中で、
またもやあのトグロ感情。
(図はトグロです。)
抱えきれず、その感情が芽生えていることを姉と実母に打ち明けた。
彼女たちもまた3姉妹を産み落とした親である。
私のトグロに名前がついた。
「マタニティーブルー」
私にはこんな横文字似合わないので
自身を「青い妊婦」
と呼ぶことにする。
彼女たちは、すごく私の気持ちを理解してくれた。
「今まで、ずっと仕事を頑張ってきた妊婦さんは産休に入った途端、
社会とのつながりがなくなって、
こんなにゆっくりしてていいのかな?という一抹の不安。
この幸せは、今しかないというどこか限りを知っているから。」
そんないろんな感情が、この時期にはつきものなのだそうだ。
母は言った。
「あなたは、そして私たち家族は、
お父さんが亡くなってからがむしゃらに頑張ってきたから、
今の幸せに何も恐れることはないわよ。」
姉も言った。
「産めば生むほど、もっともっと幸せになるから大丈夫。」
そして、義母は、
気がついたら
指を鳴らして歌って踊っていたwww
あ〜も〜全然いけるわ。www
超楽観的なこの家族と一緒なら大丈夫だ。
妊娠して、家族の支えがない人、
事情があって社会から離れた人も、
大丈夫。
自分が今まで頑張ってきたから今は休んでリラックスして大丈夫。
お義母さんは、
ヨーロッパ中にいる家族から、
たくさんのプレゼントを預かってきてくれた。
すごい数のベビー服。
私は、もしかしたらピンクパンサーを生むんじゃないかっていうくらいピンク服の嵐。
まだまだ青い妊婦期間は続きそうだが、
このピンクに埋もれると、元気になれる。
感動で締めくくりたいところだが、
これだけは
言っておきたい。
実母は、
おっとりした性格で優しい顔を持っているが、欠点が一つだけある。
顎に2本、ヒゲが生えている。
彼女は、願掛けのようにこの2本を大切にし、
1cmくらいまで育つと、
「そろそろ小学校入学の頃合いね。」
と、独特な尺の測り方で
1cmのヒゲを我が子のように大切にしている。
「みんな絶対ドン引きしてるから、お願いやから抜いて!!」
と母に懇願した。
母は渋々そのヒゲを切り落とし、
スペインから義母を迎えた。
そして、義母を見て驚愕。
義母の顎にも立派なヒゲが2本蓄えられていた。
しかも、こちらは実母でいう「中学校入学」くらいまで生えていた。
そのヒゲを見て、
なんだかもはや運命的なものさえ感じた私。
もう、実母にも自由に2本のヒゲが成人になるまで育ててもらおうと思う。
ヒゲ締め!
以上!