【思いやりのかたち】


(2013年2月20日ブログ再投稿)

重い槍の形。

漢字がかわるだけでこうも意味が変わるから日本語っておもしろいですね。
見た目はNEET、本業日本語教師と事務局マネージャーの二足のわらじを履いております。

日々、日本語おもろいって思う毎日。
今日は、「思いやりのかたち」について思うことがあった。

もうすぐ3ヶ月が経とうとしている。

陽気なスペイン人と同棲し始めた。
毎朝、ぎりぎりまで寝て、10分でフルに支度して学校に向かう彼。

全然時間がないのに、朝ごはんはちゃんと食べるのは欠かさない。
今日はいつものトーストは食べず、仕事先のひとにもらったバームクーヘンと、

おいしいバターサンドクッキーを2つずつ。

ココアにディップして食べることにした。

そこで、少し違和感を覚えることがった。
彼は、2つずつあるバームクーヘンを1つ取り、わざわざ半分に割って、
大きい方を私にくれた。

いつもそうだ。何かを食べるとき、絶対に2つに割って大きい方を私にくれる。

のろけているのではない。
想う相手にあるべき行動をとっている人だと毎回関心する。

そしてもうひとつのバームクーヘンも半分に割ってやっぱり大きい方を私にくれた。
でも、どうしてわざわざ2つあるものをハナから1つずつあけて半分に分けて食べるんだろう。
効率が悪いのかな。10分しかないのに。。。
何も言わずに、彼のより少し大きい半分のバームクーヘンをココアに沈めてほおばった。

そしてまた、彼はクッキーの袋を開け、
半分に割って大きい方を私にくれた。

また、私はなにも言わずクッキーを口にいれた。

(本当に効率が悪い人なのかな。)
内心、心配にさえなった。

でも、そうじゃなかった。

残りの、
ひと袋のクッキー。
それを私に手渡し、

“enjoy wiz your lunch”
「お昼ご飯の時に食べてね。」

そう一言いって学校へ向かった。
私はなんという勘違いをしていたんだろう。

彼は、私に1つまるごとくれることも想定して半分ずつ一緒に食べていたのだ。

効率の善し悪しばかりを考えて、彼の意図する思いやりを見落としていたのだ。
夜になって、そのことについてお礼を言った。

「最初、効率が悪い人なのかと心配したけど、

あれは、私にクッキーをひと袋まるごとくれるためやったんやね。ありがとう」
そう言うと、
「もちろん、2人に1つずつあったら1ずつ袋を開けて食べたらいいことぐらいわかってる。

でも、1つのものを2人で分けて食べることに意味があると思う。

一見、効率が悪いだけの行動に見えるかもしれないけど、
“分け合うこと”の大きな価値に意外と人間は無頓着なんだ。

まぁ、朝は寝ぼけてるし、そんな深く考えてないかもだけどね、あはは!」
と言っていた。

うん、すごく正しい。

ただの陽気なラテン人かと思ってたけど、深いな。と思った。

なんの話かわからないかもしれないが、

一度騙されたと思ってやってみてほしい。

仲間や恋人、家族と何かを分け合うとき、

1ずつに分配された個数があっても、あえて1つをあけて分け合うこと。

そして、相手に自分より大きい方を渡すこと。
これをされると人は愛をものすごく感じる。

私の母がそうだったからよくわかる。

その小さな行動ひとつで愛の伝わり方は大きく変わる。

思いやりのかたちは人それぞれ。表現方法も違って当然。
でも、私も自然に思いやりのある行動ができるひとになりたいと感じた。

気持ちがほっこりしたのでシェアします。

首が鈍器みたいにかたくなってきたのでそろそろ寝ます。

オキャンピー!!!!


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